フィンランドのくらしとデザイン展に行ってきました

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先週末に、ずっと行きたかったフィンランドのくらしとデザイン展に行ってきました。

場所は、宇都宮美術館。東北道宇都宮インターチェンジから15分ほどです。

目的は、フィンランドのことを改めて知ること。

プロダクトだけではなく、歴史・文化・建築など様々な角度から「フィンランドとは」を学ぶためです。 



宇都宮ももちろん猛暑真っ只中なので暑いのですが、美術館の外観はすっきりした印象で、たまたまなのか青と白のカラーリングがフィンランドらしくて素敵でした。
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入館料を払って展示室に向かうと、3色のタペストリーが。
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パンフレットにも使われているデザインです。


どこかで見た覚えがあると思ったら、TUNEWEAR社から発売されているiphoneケースの【Nuppu/ヌップ】にも使われている柄でした。

フィンランド人デザイナーのJuho Viitasalo/ユホ・ヴィータサロによるもので、Nuppuとはフィンランド語で「つぼみ」を意味します。冬が終わり、春が運んでくる新しい生活をイメージしていて、フィンランドの伝統的なテキスタイルのデザインだそう。

興味深いのは、見方によって色々なパターンが見え隠れすることです。V字が4つ集まって雪の結晶のように見えたり、白い正方形を中心として花びらが4つあるようにも見えたりします。
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もっとよく目を凝らすと模様に沿って円が見えてきて、フィンランド人が大切にしている自然=地球を表しているようにも感じて、非常に秀逸なデザインだと思います。
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本展前から盛り上がってしまいました。


では展示について。展示物は写真撮影禁止なのでわかりづらくて申し訳ないのですが、見どころを参考にしてもらえればと思います。


入口を入ってすぐ見えてくるのは、フィンランドの「森の家」。
別荘の脇に建てられる、子供部屋をイメージして作られたものです。

その周りにはフィンランドの歴史をまとめた展示がありました。

注目すべき記述は、独立後まだ100年未満の国家ということ。

1155年から1809年までスウェーデンの領土、その後1917年まではロシアの統治下に置かれていました。

そのため、<strong>独立後にフィンランド人としてのアイデンティティを確立する必要に迫られ、独自のデザインの文化が発達していった</strong>と言われています。

冬が長く厳しいので家の中で過ごす時間が長い、という理由からデザインが発達していったという考えもありますが、新たな側面を学ぶことができました。


また、このスペースではアルヴァ・アアルトの名作・パイミオチェアにも座ることができ、造形美と優雅な座り心地が味わえます。



その先には展示室1と2があり、まず1の方へ。

ここでは、美術館らしく絵画の展示が中心です。

見所は、エーロ・ヤルネフェルトの『スオミの風景』

「スオミ」とはフィンランド語で「フィンランド」を表す言葉で、「湖沼」を意味する「スオ」に由来するもの。

森林・草原・湖が描かれた『スオミの風景』は、フィンランドの景色を象徴するものです。
日本で言うと、童謡『ふるさと』の歌詞のようなのどかな田園風景でしょうか。

他にも「これぞフィンランド!」という作品がたくさん展示されていて、フィンランドの表情を感じ取れる内容になっています。

また、フィンランドに伝わる伝説をまとめた『カレワラ神話』も見どころ。
天地創造からキリスト教の伝来までが物語となっているものです。



次は展示室2へ。

こちらでは、まずムーミンの原画やエリエル・サーリネンの建築についての展示が。

ムーミンの原画は、トーベ・ヤンソンの精緻な筆使いに感動させられました。

エリエル・サーリネンは、ヘルシンキ中央駅のデザインで著名な建築家。
ヘルシンキ市内にいくつも建築物があるので、旅行に行った際は巡るのも面白そうです。
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(ヘルシンキ中央駅の写真)



そしてお楽しみの生活デザインコーナー。

マリメッコはヴィンテージのワンピースや、10mはあろうかという高い天井付近から吊るされた生地が目を引く構成。

40年以上前にマリメッコで活躍した日本人デザイナーの脇坂克二さんの作品も多数見ることができました。

ヴィンテージの食器類は、NuutajarviのグラスやARABIAキルタ、ティーマなど、カイ・フランクの作品が中心。
ガラスや釉薬の美しさに改めて目を奪われました。

アルヴァ・アアルト作のアルテック社のスツールも各色座ることができ、「2nd Cycleプロジェクト」の展示も。
古いスツールを集めて修理・リサイクルを推進しているプロジェクトで、フィンランド人がモノを大切にしている姿勢が伺えました。




駆け足での説明になってしまいましたが、この展覧会を通してはっきりと見えてくることは、
<strong>「フィンランド人は限られた自然と上手く付き合って、モノを無駄にせず大切にしている」</strong>ということ。

人間と自然とは切り離せない存在であって、それがスオミの絵画やムーミンの原画に見られます。

そしてプロダクトにおいても、自然をモチーフにしたデザインを取り入れたり、素材が無駄にならないよう機能的で長く使えるデザインを生み出したり・・・

エコが叫ばれる前から、フィンランド人はずっと持続可能な社会を作り上げてきたのです。

資源の枯渇や環境破壊が懸念される現在において、1つの目標であるべき社会だと思います。

pippuriではまだヴィンテージ商品の販売がメインですが、こういったフィンランド社会の考え方をもっと伝えられたらと思います。


さて、観覧を終えて出てくるとミュージアムショップがあります。

ここでは「フィンランドのくらしとデザイン展」の展示をまとめたガイドブックや、ムーミンやマリメッコなどのグッズが多数販売されています。

隣にある図書閲覧スペースでは、フィンランド関連の本もたくさんあるので、丸一日過ごせそう。

宇都宮美術館では8/26までの開催となっていますので、お近くの方はぜひ行ってみてくださいね。

その後は静岡→長崎→兵庫と回ります。宇都宮の前は青森だったので、大都市のど真ん中でやっていないのも良いセンス。

静かな場所で、フィンランドの雰囲気をより味わうことができると思います。


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